新夢が丘 in 釧路湿原
インターネットをくまなく探せば、とあるブログにいきつきます。そこにはご親切にも解説と地図が掲載されており、所要時間まで記されています。世の中、調べられないものはないほどインターネットの威力は凄いものです。全く便利な時代になったものです。このガイドによると展望スポットまでは徒歩40分として記してあります。夏山シーズン中は登山をしている私にとって、40分ほどの徒歩は大したことではありません。問題は初めて地であること、単独で少々のリスクが伴うことぐらいです。さりとて、「一発勝負を狙うならぜひともここは抑えておきたい。」
そんな一心でSL冬の湿原号の撮影地は新夢が丘と決めました。
午前9時55分に出発。
ここから線路脇を歩くことになります。
先行している人の足跡を頼りにいけばなんとかなるだろうと思っていましたが、出鼻から挫かれました。足跡をつけては悪いような新雪が美しく積もっています。ガイドによると“はじめに延々と続く直線区間は戦意喪失”と書いてありますが、まさにその通り、早々に諦めて引き返そうかと思いました。
直線区間を抜けるだけで20分はかかります。山影になると吹き溜まりとなり雪は膝ぐらいまで積もっています。足跡といえばシカとキタキツネのもの。平坦部を過ぎたところですでに40分は過ぎていました。気温は氷点下。額から汗が落ちてきます。少し休憩をして、山登りにかかりました。山道は雪の吹き溜まりです。新雪の下は凍てついたところが随所にあり、足をとられます。
(「このオヤジどこへ行くんだ?」とみつめるエゾシカたち)
俯瞰ポイントに立つとそこには湿原を一望する絶景が広がっています。時間は11時を過ぎていました。所要時間1時間10分。絶景がその達成感を感じさせてくれますが、目的は山登りではなく汽車撮影です。汽車がくるまで約30分。汗が乾き、寒さがこたえてきます。周辺を散策するように動きました。
撮影機材の本務機はD300として、横アングル80mm域で撮影することにしました。
目前の枝が邪魔をして線路が狙いにくい感じです。
補機D2Xにはお手軽レンズAF-S VR70-300を装着して手持ちで狙いました。
定刻、汽車は一瞬のように過ぎ去っていきました。
あっけなく撮影は終了です。
山を滑るようにして急いで下りました。
急ぐ理由は後続列車の通過があるため、それをかわさなくてはなりません。目処がつくところまで戻り、後続列車を撮影することにしました。
キハ54が雪煙を舞い上げて軽快に目前を駆け抜けていきました。
出発点に戻ってきたのは13時過ぎでした。
*「新夢が丘」で検索されて、この記事をご覧になられる方が多いようです。
はじめて「ここ」を目指されるなら次のことに留意して下さい。
1)気合を入れて挫けずに。
2)撮影ポイントでの待機時間は凍てつきます。防寒対策を。
3)往来する列車ダイヤを必ず確かめて下さい。行きに普通列車、帰りに快速知床の通過があります。くれぐれも運行妨害とならないように線路上を歩かないように。(*2013年1月補記)
返しはタンチョウのいる「茅沼」を予定していました。茅沼にいき先客にツルの所在を聞くと「たった今、飛び立った」と、飛翔するツルを指差して教えてくれました。ガクッ。ツルがいなければここで撮る価値はないと思い、シラルトロ沼へ移動。シラルトロ沼の駐車場から遠く線路を望むが、煙がでなければ表現することは難しいと判断、さらに塘路周辺へ移動することにしました。時間は14時。これ以上、場所を探す時間がありません。サルボ展望台散策路の駐車場に車を止め、
塘路湖側から二本松展望台方面を望むアングルで撮影することにしました。ここでの煙は全く期待できません。軽快なリズムで塘路構内に進入していきました。
大井川で見慣れたC11.
風景が変われば、逞しくもあり美しく見えること再発見しました。
また来年、再会したいと思っています。