人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Digital 四季彩感-森羅万象-PhotoBlog

山歩記yamaaruki-VOL.1

山歩きは思い立ったが吉日とはいかない。行動ができる週末の天気がどのような状態であるかを見極める必要がある。私のように「山歩き」と「撮影」の両目的があればなおさらのことである。
言うまでもなく、まずは天気予報に注目するが天気図が読み取れる力量はない。頼るのはインターネットで発表されているスポット予報と周辺のインターネットライブカメラである。これが実に重宝する。

相変わらずこの週末は不安定な天気となった。できれば稜線上での夕日と朝日を狙いたい。しかし、この天気ではリスクが多すぎる。結局、日曜日の1day登山をするしかない。さまざまな選択肢を想定してたが、北アルプスは天気が悪そうである。簡便にして登れる山となれば、「駒ケ岳」に限る。万が一、天気が悪ければ駐車場で引き返すことも覚悟して出かけた。

現地バス乗り場駐車場で仮眠をする。空は星空が美しい。満月に近い月夜で明るい。明朝は期待ができそうである。
午前5時、始発のバスを求めて続々と車が駐車場に入ってくる。上空はまずまずの天気であるが、目覚めと腹具合が良くない。とにかく始発といえど混雑が予想されるので、いの一番に場所取りをしておく。済ませるものを済ませて、山のイメージをしながら気分を転換させることに努める。
午前6時12分、始発臨時バスは満員の乗客を乗せ、ロープウェイ乗り場となる「しらび平」へ向かう。バスの乗車時間は30分強。道のりをしっているだけに、嫌な予感がする。このかた乗り物酔いをしたのは人生でたった2度。一度は体調不良のまま搭乗した飛行機が乱気流にもまれ酔ったこと。もう一度は、6-7年前になるが上高地のシャトルバスで酔ったことだ。このときも仮眠の寝覚めが悪く、今回と同じような調子であった。バスがツヅラ折の林道に入った途端、苦しさが込み上げてくる。幸いに、座った場所が運転席のすぐ後方で、運転席の窓が空いていたので新鮮な空気を吸うことができる。しかし、よりによって、隣に座ったオヤジは汗臭い。負の境地に入るとスパイラル状に負の方向へ向かってゆくものだ。なんとか辛抱するが、最悪はバスを止めてもらって下車することも想定した。しらび平が近づくにつれ、周期が短くなってきたが、なんとかバスを止めることなく持ちこたえた。バスを降りた途端に救われた心境になり、ウソのように回復する。「もう、大丈夫だろう」と確信して、ロープウェイに乗り換える。ロープウェイの乗車時間は短いし、もし万が一、襲っても辛抱できる時間である。ましてやロープウェイで乗り物酔いしたとは聞いたことはない。
ところが、中間地点ぐらいの揺れで、血の気が引いてくる。全身の力が抜けてゆくような気がした。なんせ、満員電車並みに乗車しているし、気圧の急激な変化もある。「酔ったからここで降ろしてくれ」とは言えない。遠望の風景に車内は歓声があがるが、こちらは悲痛である。冷や汗を感じる。「頼むで早く到着してくれ~~~」
僅かな時間がやっとの思いで到着した。一目散にトイレに直行である。まぁ、我ながらよく辛抱できたものだ。

やっとのことで「すっきり、すっきり」。それにしても不思議な現象に襲われたものだ。
青空と美しい山容、新鮮な空気を一杯に吸い込み、一気に回復した。
ココロは一気に陰極陽転、想定していたコースを目指すことにした。
山歩記yamaaruki-VOL.1_e0056449_21361358.jpg

ロープウェイで見過ごした風景を到着後に見届けておいた。中央に富士山の頭が見える。
by crewcs77 | 2006-09-11 21:36 | 風景